『両面提示の法則』信頼される営業マンはデメリット隠さない

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ライト

上場企業で働く法人営業の30代サラリーマン

働き盛りの30代で東証プライムの上場企業から中小企業まで数多くの企業との商談経験を持つ。サラリーマンとして会社に勤務する傍ら、自身の知識や経験、学びをアウトプットする目的で本ブログを開設。

『企業が書かない』×『社会人に役立つ』そんなビジネスコラムを記事にします。

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記事に入る前に一言

「この商品/サービス、正直ここがネックなんだよな…」と思いつつも、お客様には言いづらい。
そんな葛藤を抱える営業マンは多いのではないでしょうか。でも実は、デメリットを正直に伝えた方が、信頼や説得力を得られやすく、結果的に成約率の向上に繋がることをご存じでしょうか?そのカギとなるのが、行動経済学の考え方である「両面提示の法則」です。

ライト

本記事では、営業シーンにおける両面提示の法則の活用法と、デメリットを効果的に伝えるコツをご紹介します。

目次

両面提示の法則とは?

両面提示の法則とは、メリットとデメリットの両方を正直に伝えることで、説得力や信頼が高まるという心理学の理論です。例えば「この商品は素晴らしい!」とメリットばかりを強調して話をすると、相手は「何か隠しているのでは?」「本当にそんなうまい話があるのか?」と警戒してしまいます。

一方で、あえてサービスのマイナス面を認めたうえで、正直にデメリットも伝えることで、「正直な営業マン」という好印象を与え、そのデメリットが相手にとって大きな影響を持たない場合はより納得感のある判断を引き出せるのです。この法則は、私たちの身の回りの広告やプレゼンテーション、政治演説など幅広く応用されており、もちろん営業の場面でも非常に有効です。

デメリットを伝えることがなぜ大切なのか?

営業は商品を売ることが仕事です。そのような立場上、どうしても「このサービスは完璧です!」「非の打ち所がありません!」と相手に伝えたくなるところですが、相手が求めているのは適切な判断をするための正確な情報です。通常、私たちが購入するかどうかの検討をおこなう場合、メリットとデメリットの両方を天秤にかけて検討をおこないます。そのため、デメリットの情報を伝えないことで相手は不信感を抱いたり、検討をなかなか前に進められなかったり、結果的にデメリットを伝えることよりもリスクになり得ます。

また、デメリットを伝えることで「この人は本音で話してくれる」と思ってもらえることで、信頼関係の構築にもつながります。

営業はデメリットはどう伝えればいい?

両面提示の法則を活かすためには、次の3つのステップを意識しましょう。

STEP

相手のニーズを確認する

まず大前提として、相手が何を重視しているのかを理解することが必要です。
価格なのか、導入スピードなのか、運用負荷なのか。相手のニーズをヒアリングし、デメリットが相手にとって重要でないなら、正直に伝えてもネガティブな印象にはなりません。

STEP

デメリットをあえて正直に伝える

「正直に言うと、初期導入の際には少し手間がかかります」「多機能であるのが当社製品のメリットですが、その分他社製品よりも高額です」など、ウィークポイントを隠さず話す勇気が大切です。ポイントは、落ち着いたトーンで、事実として客観的に伝えること。デメリットを伝える場合は言い訳がましくならないよう注意しましょう。

STEP

デメリットはメリットや解決策とセットで伝える

デメリットを伝えることは大切ですが、デメリット単体ではそれはネガティブな情報でしかありません。デメリットはメリットや解決策と同じタイミングで伝えることを意識してください。
「確かに〇〇という面はありますが、□□の体制で進めればリスクを抑えられます」など、解決策やフォロー体制を合わせて伝えることが重要です。

例:「このシステムは初期設定に時間がかかります。ただ、導入後は自動化が進み、月間の業務時間を30%削減できるケースが多いです」

デメリットを伝えて購入の背中を押してあげる

私はよく、「弊社の製品は〇〇という特徴があるので、□□を期待されるお客様にはなかなか受け入れられません」というフレーズを使います。このフレーズは「□□を期待されるお客様」には弊社の製品はオススメできませんが、それ以外のお客様には自信を持ってオススメできます、というニュアンスが込められています。

ライト

デメリットを伝えることで、「自分はそのデメリットは気にならないな」と思うことでお客様が製品を安心して購入することができます。

両面提示におけるデメリットを伝える際の注意点

両面提示は効果的ですが、伝え方を間違えると逆効果にもなりかねません。以下の点に注意しましょう。

  • 否定的にはならない:あくまでデメリットを事実として冷静に伝える
  • 相手のニーズに逆行する致命的なデメリットは慎重に:大きな不安につながる内容は慎重に
  • デメリットに勝るメリット・解決策も必ず添える:デメリットをカバーできるアイデアやメリットをあわせて伝える
ませた幼児

大切なのは、誠実さと課題解決の姿勢だね。

まとめ

誰にでも等しくおすすめできる完璧なサービスは存在しません。弱みを隠すより、正直に伝えたうえでどう活かすかを相手に提案する。それこそが、営業の真価です。両面提示の法則を取り入れることで、お客様との信頼関係を築きやすくなり、結果として成約率も向上します。ぜひ、次回の商談から「あえてデメリットも伝える」意識を仕事に取り入れてみてください。

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