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営業として商談を重ねていると、「クロージングが苦手」と感じる方も多いのではないでしょうか。 「押し売りと思われたくない」、「タイミングがわからない」といった不安から、せっかくのチャンスを逃してしまうケースもあります。 そこで活用したいのが、「テストクロージング」という手法です。

今回は「テストクロージング」についての記事です。無意識にテストクロージングできている営業の方もいるかと思いますが、営業スキルの一つとして意識的に使えるとより効果的です。
テストクロージングとは?


テストクロージングとは、本格的な契約交渉(クロージング)に入る前に、顧客の関心度や導入意欲を探る質問を行うことです。 営業側から「契約していただけますか」と単刀直入に確認するのではなく、さりげなく相手の考えや準備状況を確認することで、次のステップに進めるかを判断できます。
テストクロージングは、本格的なクロージング前の“予行演習”とも言えます。相手にプレッシャーを与えることなく、意思決定のヒントを得ることができる非常に便利な技術です。
よく使われるテストクロージングの質問例


- 「もし導入いただくとしたら、いつ頃からのご利用を想定されますか?」
- 「他にご不安な点や懸念事項はございますか?」
- 「価格以外で気になる点はありますか?」
- 「こういった内容で進めるとしたら、社内の決裁はどなたになりますか?」
どの質問も、「契約してください」ではなく「もし〜なら?」という仮定の話になっているのがポイントです。 相手に思考を促すことで、話がより具体的になり本音や課題が引き出される可能性が高まります。
テストクロージングのメリット


- 顧客の温度感を把握できる:前向きかどうかを見極められるだけでなく、購買プロセスのどこにいるかを知る手がかりになります。これにより、無理なクロージングやタイミングのズレを避けることができます。
- 課題の掘り下げや不安解消に繋がる:テストクロージングの質問によって、顧客の懸念点や疑問が顕在化します。早い段階でそれらを解消できれば、スムーズに次の段階に進むことができます。
- 自然に本クロージングへ移行できる:テストクロージングを通じて相手の合意形成が進んでいれば、「それでは、正式に契約のお手続きを進めてよろしいでしょうか?」という本クロージングも受け入れられやすくなります。
- 顧客との関係を壊さずに進められる:ストレートに契約を迫ることなく、相手の意思を尊重しながら対話を進めることができるため、信頼関係の構築にも役立ちます。
テストクロージングの注意点と失敗例
- 早すぎるタイミングで聞いてしまう:信頼関係ができる前に焦ると逆効果
- 一方的な質問になる:会話になっていないと、相手の本音は引き出せない
- 回答を無視して本クロージングに突入する:信頼を損ねる原因に


まとめ
テストクロージングは、営業マンがクロージングに対する不安を和らげるための有効なステップです。 相手の反応を見ながら自然な流れで契約確認に導けるため、テストクロージングをうまく活用することで押しつけがましさのない営業が可能になります。
クロージングが怖いと感じるなら、まずは「聞いてみる」ところから始めましょう。 テストクロージングは、あなたの営業に「余裕」と「安心感」をもたらしてくれます。