ビジネスマンとして長年仕事に携わってくると、新人や中途若手社員の教育に携わることがあります。私もOJTリーダーをこれまで4回ほど経験してきましたが、その度に新しい発見や気付きがありました。今回はそんなOJTリーダーに関して記事を書きます。
最近では在宅勤務やフレックスタイム制の普及により対面でOJTをおこなえなかったりと一昔前より新人を教育することが難しくなっている現状があるように思います。
OJTリーダーとは?
OJT(On-the-Job Training)リーダーとは、新人や若手社員を現場で実践的に指導する役割を担う人のことを指します。OJTは、業務を通じて必要なスキルや知識、経験を学ぶ効果的な方法であり、OJTリーダーは新人や若手社員を近くでサポートする存在です。企業にとって、即戦力となる人材の育成は重要な課題であり、OJTリーダーはその実現において不可欠な役割を果たします。
実はOffJTリーダーもある
OJTリーダーに対して、OffJTリーダーは、社員のスキルアップや知識向上を目的とした外部の研修や教育プログラムを計画・実施する役割を持つ人のことです。OffJTは、通常、セミナー、ワークショップ、オンラインコースなどの形で提供され、職場外で行われるため、OJTと区別されます。OffJTリーダーは、これらのプログラムを効果的に運営し、参加者が最大限の学びを得られるようサポートします。
OJTリーダーをまかせられる人の特徴
- コミュニケーション能力が高い
OJTリーダーは、教える相手と円滑にコミュニケーションを取ることが求められます。明確な指示を出し、相手の理解度を確認しながら研修を進めていくことが重要です。 - 忍耐力と共感力がある
新人や若手社員は、業務に慣れるまで時間がかかることがあります。リーダーはその過程を忍耐強くサポートし、相手の立場に立って物事を考える共感力が必要です。 - 専門知識と実践経験が豊富
教える内容に関して深い知識と実践的な経験を持っていることが、信頼されるOJTリーダーになるための条件です。 - 柔軟性がある
新人の理解度や反応に応じて、教え方を柔軟に変えることができる能力も重要です。一人一人に合った指導方法を見つけることが求められます。 - スケジュール管理ができる
OJTリーダーは基本的に自分の業務の傍らで、時間を捻出して指導にあたります。自分の仕事と指導の両立ができるスケジュール管理能力が必要になります。
OJTリーダーに期待される役割
- 知識とスキルの伝達
OJTリーダーは、新人や若手社員に対して業務に必要な知識やスキルを効果的に教育する役割を担います。日々の実践業務を通じて学ぶことで、即戦力として活躍できるようサポートします。 - メンタリングとサポート
ただ業務を教えるだけでなく、メンタリングを通じて精神的なサポートを行います。新人にとっては初めての社会人生活。そんな不安を取り除き、自信を持って業務に取り組めるようにすることが求められます。 - フィードバックの提供
新人の成長を促すために、適切なタイミングでフィードバックを行うことが重要です。良い点を褒め、改善が必要な点を具体的に指摘することで、効率的な学習を促します。 - 関係者との調整役
OJTリーダーは、チーム全体の業務が円滑に進むように関係者との調整を行う役割も果たします。新人がスムーズにチームに溶け込めるようサポートすることが求められます。たとえばランチを企画したりなど、周りを見て必要に応じてコミュニケーションの機会を作ってあげると良いでしょう。
体験談:私がOJTリーダーで一番心がけていたこと
私がOJTリーダーをおこなう時に一番心がけていたことは、質問しやすい環境づくりです。
新人の頃は慣れない社会人生活が始まり、一気に沢山のことを教えられてしまうので、理解が追いつかず教えられたことが一度で覚えられないことは当たり前です。
しかし、ネットで見ると「同じことを何度もいけない。聞いたことは全てメモを取るべし!」のように脅しのような文章を時々見かけます。では実際どうでしょうか?
実際の仕事において、課長が「あれってどうだったっけ?ごめん、もう一回教えてもらっても良い?」なんて言っている光景は日常茶飯事です。
なんなら、4-50代だと物覚えも悪くなるので、2-3回では覚えられないことが多いです。
実際の上司達はそんな状況なのに、新卒が一回で覚えられなくて当然です。なのでは私がOJTリーダーになった時は「恥ずかしいことではないので、少し考えても分からないことがあったら、いつでも何でも聞いて欲しい」ということをお願いしていました。
そして、何か聞きに来てくれた時は暇そうなフリをして、その場で必ず時間を取るようにしました。後回しにしてしまうと、「忙しいのに邪魔してはいけない。」などと、新人に気を使わせてしまうからです。
「いつでも何でも聞いて欲しい」とはお願いしても、(普通に教育していれば)半年もすれば寂しいですが勝手に自立していきます。とにかくOJTは新人や若手社員を近くでサポートすることを期待されているわけですから、新人や若手社員にとってはとにかく質問しやすい人となるように私は努力していました。
まとめ
OJTリーダーは、新人や若手社員の成長を支える重要な役割を担っています。効果的なOJTリーダーになるためには、高いコミュニケーション能力、豊富な知識と経験、柔軟性、そして共感力が必要です。明確な目標設定や継続的なコミュニケーション、適切なフィードバックを通じて、新人の成長をサポートし、チーム全体のパフォーマンス向上に貢献しましょう。
OJTリーダーの打診が来た際は上司から一定の評価をしてもらえているとのことなので、胸を張って引き受けて欲しいと思います。育児と同じようですが、OJTをしているとリーダー側も新たな発見が沢山あります。教える側が実は色々と教えられていたなんてこともしばしば。
仕事の心構え、進め方が分からないという方は「コンサル一年目が学ぶこと」という本が参考になるかも。
新人じゃなくてベテランの人が読んでもタメになる本だよ。