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「アイスブレイク」は、初対面の顧客との緊張を和らげるために必要と思われている会話です。ただ、私を含め全ての営業マンがアイスブレイクが得意とは限りません。今回の記事では、私の経験からアイスブレイクが必ずしも必要ではないと考える理由と、代わりに商談後の雑談がいかに重要かを紹介していきます。
商談における営業のアイスブレイクとは
アイスブレイクとは、初対面の人々の間での「アイスのように固い緊張」を壊し、その後の会話をスムーズにするための短い会話や活動のことを指します。商談をおこなう営業の場面では、アイスブレイクが効果的だとされ、初対面の顧客との関係を築くために使われます。
アイスブレイクによってお互いに話しやすい関係性を作ってから本音で商談するってわけね☆
営業にアイスブレイクが必要と言われる理由
世間一般的にアイスブレイクが必要と言われる理由は、主に以下のようなものがあります:
- 緊張の緩和:初対面の顧客との間の緊張を和らげ、リラックスした話しやすい雰囲気を作る。
- 信頼関係の構築:簡単な会話を通じて顧客との信頼関係を築く。
- コミュニケーションの促進:会話のきっかけを作り、その後の話し合いや交渉を円滑に進める。
これらの理由から、営業研修などでもアイスブレイクの重要性は認識されています。
営業がすぐに使えるアイスブレイク3選
アイスブレイクは必ずしも必要ではないと考えている私でも、名刺交換した際のお客さんの空気感や間合いを読んでアイスブレイクを入れる場合もあります。
いつでも使えるアイスブレイクとして下記3つのシナリオ(型)を用意しています。
- 天気の話題:
「今日はいい天気ですね。」や「最近は結構暑いですね。」といった、誰にとっても身近で共感を得やすい話題です。誰にでも通じる話題である反面、対して深堀りできる話でもないので本題に入るスモールトークとしては重宝されます。 - 企業に関する話題:
「御社のホームページはユニークですね。」「御社のCM/広告を昨日も見ました。」など、訪問先の企業に絡めた話題です。「あなたの会社に興味を持って調べて来ました」というアピールにも使えます。 - 立地やビルに関する話題:
「駅から近くて良いですね。」「立派な会議室ですね。」などは鉄板のアイスブレイクです。「御社のビルはどちらですか?」と聞き返してくれることも多く、そこから話題が広がることもあります
私の経験上、「先方が4−50代」「面談時間に十分余裕がある」「1対1の面談」であれば、軽いアイスブレイクを冒頭に持ってくるほうが自然な流れで相手と会話のテンポを作ることができます。
アイスブレイクは無理にする必要はない
ここからが本題です。私がアイスブレイクを不要と考えるベースには「営業マン全員がアイスブレイクを得意とするわけではない」という考えがあります。
中途半端なアイスブレイクはお互いの緊張を和らげるどころかむしろ緊張を高めるリスクさえあります。言うなればアイスブレイクどころかアイスメイクですね。
せっかく頑張ってアポイント取り準備を進めてきた商談にも関わらず、無理やりアイスブレイクを入れてしまったがためにお互いの緊張感が高まり、商談が不完全燃焼になるということは避けたいです。
商談において義務的におこなうアイスブレイクはそこまで必要ではなく、自然と発生する会話が一番の理想ですね!
顧客が第一に求めているのは営業マンとの楽しい雑談ではなく商品やサービスに関する正確な情報や魅力的な提案です。挨拶もそこそこに本題に入り、お客さんが求める情報を先に提供してあげて、その後から雑談する方がよっぽど有意義に思えます。
優先順位として常に第一にあるのは「顧客のニーズに応えること」です。時間も限られているような商談においては話題の優先順位を気にするべきです。
私は面談の本筋である提案に絡めて相手との距離を詰めることを意識しています。商談の中でもお互いの緊張感を解く方法はいくらでもあります。相槌や質問の投げかけ、業界の小ネタを余談として話に盛り込むなどと工夫次第です。
アイスブレイクより商談後の雑談を
商談が終わった後の雑談は、顧客との関係を深める絶好のチャンスです。私は商談の中身がそのままアイスブレイクになるほどまでに、話しやすい空気感を作ることを意識して提案しています。
商談後、会議室からエレベーターホールまでの道中の話が一番盛り上がったなんて経験は無いでしょうか?私の経験上、緊張感ある冒頭のアイスブレイクで交わされる会話なんかより、お互いが目的を果たした商談後にする雑談の方が、プライベートに関する話だったり、情報の濃度や鮮度が高い気がします。
商談後に雑談するメリット
- 時間調整が可能:
商談途中で時間切れになるのは双方にとって非常に残念なことです。商談を先に終わらせて雑談を後半に持ってくることで柔軟に時間調整ができます。 - 信頼関係の強化:
商談後の雑談は、話しやすい雰囲気も相まって顧客との信頼関係をさらに強固にします。 - 次回への布石:
次回の商談時に話題にできそうなトピックを提供することで、継続的な関係を築くことができます。
まとめ
アイスブレイクは営業の場面で有効とされていますが、必ずしも全ての営業マンが無理に取り入れる必要はないと思います。個々の営業スタイルや顧客のニーズに応じて、無理のない自然な会話を心がけることの方がずっと大切です。
アイスブレイクが苦手な人は、商談前よりむしろ商談の後に行う雑談を意識して顧客との信頼関係を深めてはいかがでしょうか。