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ライト
法人営業として東証プライムの上場企業をはじめとする数多くの企業との商談経験を持つ。サラリーマンとして働く傍ら、副業、株式投資、にも興味を持ち始め本ブログを開設。
『企業が書かない』×『社会人に役立つ』そんなビジネスコラムを記事にします。
週5日勤務が当たり前のように思われている現代。しかし、ふと立ち止まって考えると「週5日勤務って誰が決めたのか」と疑問に思うことはありませんか?ライフワークバランスと休暇日数は切っても切れない関係です。今回の記事では週5日勤務の起源について目を向けると同時に我々のこれからの働き方についても少し考えてみたいと思います。
週5勤務の起源、週5勤務は誰が決めた?
週5勤務を開始したのはアメリカ自動車メーカーのフォード社
週5日勤務の起源を探ると、アメリカの自動車メーカー、フォード社に行き着きました。
遡ること1926年、フォード社の工場が週5日、1日8時間労働を導入しました。実際、それまで労働者は週6日働くのが一般的でしたがフォード社は週5日勤務を取り入れ、当時の働き方としては大きな革新でした。
フォード社はなぜ週5勤務を導入したのか
当時のフォード社は、「労働者がより多くの自由時間を持ち、家族との余暇を過ごせるようにしたい」と考えていました。週に1日以上の休息や余暇が労働者には必要と同社は考え、週5日勤務を導入したと考えられます。
この決断は当時としては非常に先進的であり、多くの企業に影響を与え週5日勤務が広がるきっかけとなりました。
フォード社の創設者:Henry Ford(ヘンリー・フォード)
出典:株式会社平凡社/百科事典マイペディア
フォード社は週5日勤務制を始める少し前にも労働者と高水準な賃金の支払いを取り決めており、労働者へ配慮が垣間見えます。実際、高水準な賃金の支払いや週休5日制の実施により、労働者のフォード社へ対する愛社精神は高められたことでしょう。
日本で週5日勤務を始めたのは
松下電器産業(現パナソニック)が日本で初めて週休2日制を開始
日本で週5日勤務が一般的になったのは、松下電器産業(現在のパナソニック)が1965年4月に週休2日制を導入したことが大きな転機でした。松下幸之助は既にアメリカでは一般的になっていた週休2日制の働き方を目の当たりにし、松下電器産業においても休みを十分に取りながら労働者の生産性を上げることが大切だと感じ、週休2日制を採用するに至りました。
この取り組みは日本国内における他の企業にも波及し、日本全体で週5日勤務が普及する一因となりました。
「海外企業との競争に勝つには能率を飛躍的に向上させなくてはいけない。そのためには休日を週2日にし、十分な休養で心身の疲労を回復する一方、文化生活を楽しむことが必要だ」
経営の土台を固めた幸之助氏は35年の経営方針発表会でこう述べ、週休2日制を5年後の40年から導入する方針を発表した。
産経WESTの記事より引用
生産年齢人口が減りゆく日本において、労働条件が良い会社が優秀な人材をより多く確保できてこれからの社会でも生き残って行きそうネ☆
余談:週休3日制は実現するのか
フォード社が取り入れた週5日勤務が一般的となって約100年の月日が経ちました。近年では週休3日制の導入が議論されており、最近ではトヨタ自動車も実質週休3日制を働き方の一つとして検討し始めてきています。
実際、ユニクロやGUを傘下に持つファーストリテイリングでは地域正社員を対象に1日の勤務時間を10時間とし土日祝を含む週4日勤務する条件で、平日3日を休日にすることができます。労働時間は週5日勤務と変わらないため給与は同額が保証されています。
会社単位での週休3日制は難しそう
私たちは有給休暇を使用して週の3日を休むことがありますが、会社は問題なく回ります。その観点で見ると個人単位での週休3日制は十分に実現可能に思えます。しかし会社単位で週の営業日を1日減らすというのは実際問題難しいように思います。
週の営業日を1日減らす場合、大きな機会損失が発生し、単純計算でも売上が4/5になります。いえ、取引先からすると使い勝手の悪い企業と思われ、売上高はもっと減少するかもしれません。そのため、企業はできるだけ右に倣えで、取り引き先や競合企業と同じように営業日数を確保するようになってしまいます。
週休3日制が進展を見せるためには、政府や地方自治体の主導などは効果的でしょう。ただ、実際のところ政府や地方自治体にとってはコロナウイルス拡大期にリモートワークを推奨した時のようなインセンティブがありませんので、実現可能性は低いように思います。
トヨタの考えている週休3日も会社自体が「週休3日」になるんじゃなくて、労働者が「週休3日」を選べるということだネ☆
労働者の立場からすると、働き方のオプションが複数用意されているのは非常に助かります。ただ、自分だけが休む場合は前日のプロジェクト引き継ぎ、翌日のメールのキャッチアップが結構大変ですよね。
まとめ
週5日勤務が当たり前となった背景には、歴史的な経緯や企業の戦略的な決断がありました。しかし、現代の働き方の多様化やテクノロジーの進展により、休みのあり方も見直す余地があります。週5日勤務は一つの形に過ぎず、リモートワークやフレックスタイム制のように現代の社会に即したより柔軟な働き方が求められるでしょう。
休みの時間を増やすことで、労働者は新しいスキルを習得したり、健康を維持したり、家族や友人との時間を過ごすことができます。これらの要素は、結果として労働者のモチベーションや生産性向上に寄与します。週5日勤務という固定概念を一度取っ払い、これからの働き方を今一度模索してみることも重要です。