「スタートアップ企業とベンチャー企業、どちらも良く聞く言葉だけど違いはあるの?」今回の記事ではそういったギモンにお答えし、新興企業に対する理解を深めていきましょう。
スタートアップ企業とは
スタートアップ企業とは、革新的なアイデアや技術を基盤にして、急成長を目指す新興企業のことを指します。
スタートアップの主な特徴は、高リスク・高リターンである点です。新しい市場を創造したり、既存の市場に革新をもたらしたりすることを目的としています。そのため、初期段階では多くの資金が必要であり、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの投資を受けることが一般的です。
成功すれば大きな収益が見込まれますが、失敗すれば大きな損失を被る可能性もあります。
SMBC日興証券株式会社HP 初めてでもわかりやすい用語集より引用
ベンチャーキャピタル(Venture Capital、VC)とは、未上場の新興企業(ベンチャー企業)に出資して株式を取得し、将来的にその企業が株式を公開(上場)した際に株式を売却し、大きな値上がり益の獲得を目指す投資会社や投資ファンドのことを指します。
SMBC日興証券株式会社HP 初めてでもわかりやすい用語集より引用
エンジェル投資家は、起業して間もない企業に資金を出資する投資家のことです。通常、企業のスタートアップにはある程度の資金が必要で、その資金調達方法はさまざまです。中には自身で賄える人もいるかもしれません。一方で、そのほとんどが銀行や国や自治体が運営する公的な機関からの借り入れもしくは助成金です。
ベンチャー企業とは
ベンチャー企業もまた、新しいアイデアや技術を基に事業を展開する企業ですが、スタートアップとは若干異なる点があります。
ベンチャー企業は、一般的には新興企業全般を指し、必ずしも急成長を目指すわけではありません。革新性や創造性を重視しつつも、長期的な安定成長を目指す企業も多く存在します。また、スタートアップが主に初期段階の企業を指すのに対し、ベンチャー企業はある程度の市場での成功を収めた企業を含むこともあります。
両者の違い
スタートアップ企業とベンチャー企業の違いは、その成長戦略とリスクの取り方にあります。スタートアップ企業は、急成長を目指し、高リスク・高リターンを追求します。そのため、短期間での大きな成長を期待して、積極的に資金調達を行います。一方、ベンチャー企業は、革新的なビジネスモデルや技術を用いつつも、必ずしも急成長を目指すわけではなく、長期的な成長と安定を重視します。
また、スタートアップは主に初期段階の企業を指すのに対し、ベンチャー企業は成長段階が進んだ企業も含まれる点が異なります。さらに、スタートアップはしばしば新しい市場の開拓や破壊的イノベーションを目指すのに対し、ベンチャー企業は既存市場の改善や効率化を目指すことが多いです。
それぞれの特徴
スタートアップ企業の特徴:
- 高成長志向: 短期間での急成長を目指す。
- 高リスク・高リターン: 成功すれば大きな利益を得られるが、失敗のリスクも大きい。
- 革新性: 新しいアイデアや技術を基にしたビジネスモデル。
- 資金調達: ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの資金調達が主流。
- 短期間: 初期段階での急成長を狙うため、短期間での成果を重視。
ベンチャー企業の特徴:
- 革新性: 新しい技術やビジネスモデルを用いる。
- 長期的成長: 長期的な安定成長を目指す。
- リスク管理: リスクを取りつつも、安定した成長を重視。
- 多様な成長段階: 初期段階から成長段階にある企業まで含まれる。
- 市場改善: 既存市場の改善や効率化を目指すことが多い。
「創業10年以内」「評価額10億ドル以上」「未上場」「テクノロジー企業」の4条件を満たす企業はユニコーン企業とも言われます。
スマートフォン用のニュースアプリを提供するスマートニュース株式会社は日本でも数少ないユニコーン企業の一つです。
日本におけるスタートアップ企業支援
スタートアップ企業支援について調べてみると、経済産業省が推進するスタートアップ企業の
育成支援プログラム「J-Startup」というものがありました。
スタートアップ企業ってどんなのがあるんだろう?と興味がある人はこちらを覗いてみても面白いかもしれません。
こちらでは日本のスタートアップ企業約10000社の中から厳正な審査で選ばれた企業をJ-Startup企業として選定し、政府主導で様々なサポートが受けられるようです。
まとめ
スタートアップ企業とベンチャー企業は、どちらも革新的なアイデアや技術を基に事業を展開する点で共通していますが、①成長戦略やリスクの取り方、②企業の段階に違いがあります。
スタートアップ企業は、急成長を目指し、高リスク・高リターンを追求する初期段階の企業であるのに対し、ベンチャー企業は、長期的な成長と安定を重視する初期段階から成長段階までの比較的幅広い企業になります。
それぞれの特徴や成功例を理解することで、どのようなビジネスモデルが自分に合っているかを見極めることができます。また、スタートアップやベンチャー企業は、経済の活性化や新しい市場の創出に大きく貢献しており、その存在意義は今後も高まることでしょう。