ライト
法人営業として東証プライムの上場企業をはじめとする数多くの企業との商談経験を持つ。サラリーマンとして働く傍ら、副業、株式投資、にも興味を持ち始め本ブログを開設。
『企業が書かない』×『社会人に役立つ』そんなビジネスコラムを記事にします。
みなさんもきっと大好き「あずきバー」、今回は三重県津市に本社を置き主力製品である「あずきバー」を製造販売する食品メーカーの井村屋グループ株式会社について企業研究したいと思います。
井村屋グループの会社概要
商号 | 井村屋グループ株式会社 |
---|---|
設立 | 1947年4月 |
本社所在地 | 三重県津市高茶屋7-1-1 |
上場/非上場 | 上場(東証プライム)2209 |
業種別分類 | 加工食品 |
事業内容 | 井村屋グループ全体の経営戦略立案、全体最適化 |
売上高(千円) | 48,222,571 |
従業員数 | <24.3>連944名 単42名 |
BtoC/BtoB | BtoC |
HP | 企業公式ホームページへ |
井村屋グループは「おいしい!の笑顔をつくる」という企業ミッションを掲げているよ!社員の平均年齢は37.4歳、平均年収は577万円らしいネ☆
加工食品業界の動向と井村屋グループのポジション
加工食品業界において、ここ数年は原材料高やエネルギー価格高騰の影響もあり、十分な利益を確保するのなかなか難しい状況にありました。そんな中、食品業界の各社は対策として値上げ実施を積極的に講じることとなりました。直近数年では値上げを実施しても十分に原材料等のコスト上昇分を吸収しきれないこともありましたが、2023年度については原材料の高騰も少々落ち着いてきたため、利益率の確保が現実的になってきました。
井村屋グループは連結売上高482億ほどと、食品業界としては小‐中堅規模の企業となります。しかし、『あずきバー』など主力のアイスはよくあるような他社のアイスとは一線を画しているように差別化戦略が功を奏しており、コアなファンを多く獲得していると言えるでしょう。
井村屋グループの企業としての特徴
井村屋グループは三重県に本社を置く中堅菓子メーカーです。和菓子を祖業とし、あんまん・肉まんや冷菓へと事業を展開してきました。特に三重県に根付くあずきを使った「あずきバー」を看板商品とし、2023年は「あずきバー」の発売から50周年というメモリアルな年でもあり2023年度は過去最高の売上本数3億15 百万本を記録しました。
井村屋グループの売上高の約7割があずき由来の商品群のため、業績は小豆相場の影響を大きく受けやすいという特徴がありますが、アイス以外にも肉まん・あんまん、調味料事業も展開しています。基本的にBtoCがメインとなってますが、調味料事業などはBtoB事業に該当します。近年では海外事業売上高比率の向上にも意欲的な特徴があります。
数字で見る井村屋グループ
売上高 | 48,222,571(44,685,134) |
---|---|
経常利益 | 2,904,495(2,284,363) |
純利益 | 1,930,674(1,611,369) |
自己資本比率 | 55.1(54.7) |
ROE | 9.7% |
ROA | 5.1% |
PBR | 1.58倍 |
IR資料 | 企業公式IRページへ |
最新の株式情報 | 会社四季報オンラインへ |
※()内は前年の数字を記載
※数字は千円
井村屋グループは株主優待制度があり、株を100株以上保有していれば井村屋商品のオリジナルギフトが貰えるんだよ。
井村屋グループの経営戦略
井村屋グループの新中期経営計画 「Value Innovation 2026(新価値創造)」によると2026年度に向けて策定した経営目標があります。
- 売上高550億円
- 営業利益33億円(売上高営業利益率6.0%)
- 海外事業売上高比率8.8%
上記の経営目標を達成するべく、井村屋グループは具体的に下記の戦略を考えています。
- 既存の主力商品「あずきバー」の販売強化と並行して、新商品の開発と販売促進をおこなう。
- BtoB事業においては独自技術を活かした新商材の提案、新規OEM商品の受注を狙い、企業からの信頼を勝ち得て市場の開拓をおこなう。
- アメリカにあるIMURAYA USA, INC.の輸入総代理店機能を強化し、井村屋ブランドの価値向上と海外市場拡大をおこなう。また、中国や台湾などその他の海外についても国毎に適切な経営アプローチをおこなう。
力を入れている事業分野
現在、井村屋グループの売上の核になっているのは流通事業(BtoC事業)になります。これは井村屋株式会社が製造・販売している菓子・食品の事業が主に該当します。流通事業(BtoC事業)が井村屋グループ売上の9割を占めていますが、その流通事業の約3割を占めているのが冷菓(アイスクリーム)事業になります。
井村屋グループを取り巻く課題と解決策
昨今よく話題になっている原材料価格の高騰は食品メーカーを取り巻く課題やリスクになります。異常気象を原因とする原材料の不作であったり、為替の円安傾向は原材料価格の高騰を招き、ひいては食品メーカーの営業利益を圧迫します。
このような課題に対して、井村屋グループは仕入先との連携強化や取引の安定化、グローバルに調達先を選定するなど、原材料価格のリスクに対してリスク対策を講じています。
また、井村屋グループの主力は上記に述べた通り、冷菓(アイスクリーム)事業であるために異常気象などの影響により需要が影響を受けてしまうこともリスクと考えられるでしょう。ただ、下記リンク先の日本アイスクリーム協会の示すデータによると市場規模は年々大きくなっているようです。
井村屋グループ/株式会社の売れ筋商品
井村屋グループの看板商品はなんといっても「あずきバー」でしょう。どのスーパーやコンビニに行っても見かけて、我々の生活に最も身近な商品です。
あずきを炊く技術を活かしぜんざいを凍らせたようなアイスができないか?という発想から1973年にあずきバーの原型が出来上がりました。
井村屋株式会社HP 井村屋あずきバーの日
シンプルな原材料(砂糖・あずき・水あめ・コーンスターチ・食塩)で余分なものは一切使用せず、あずき本来の自然な味わい、おいしさが楽しめます。
あずきバーをチェックしてみる
あずきバーはシンプルな原材料で作られているからこそ、飽きがこない味でベストセラーになっているのかしらね。
番外編:井村屋のたい焼きアイスはどこで買えるのか?
井村屋グループの看板商品が「あずきバー」であるのは間違いありません。ただ、私は井村屋の「あずきバー」よりもさらに「たい焼きアイス」が大好きです。昔は「たい焼きアイス」を見かけることも時々あったのですが、残念ながら最近はスーパーやコンビニでお目にかかることも少なくなっています。
実際、井村屋グループの有価証券報告書においても「たい焼きアイス」に関する記述を見つけることができず、井村屋は冷菓事業においては「あずきバー」の方に注力してることが窺えます。
少し古いですが、2018年の井村屋(株)公式のSNSによるとたい焼きアイスはローソンで元気に泳いでいるとのポストがありました。また、私なりにネットで調べたところ業務スーパーでたい焼きアイスを発見したとの報告もありました。ただ、最終的に取り扱っているかどうかは店舗によるところが大きいようなので確実にたい焼きアイスを手に入れたい人はネットで購入するのが良さそうです。
たい焼きアイスをチェックしてみる
最近はたい焼きアイスがスーパーやコンビニで手に入れにくいので、似たアイスとしてセブンイレブンの「金のあずき最中」を手に取ることが多いです。
まとめ
今回の記事では井村屋グループの企業研究をしてみました。久しぶりに井村屋の「たい焼きアイス」食べたいなと思ったところからこの記事を書き始めましたが、調べていると色々と興味深い発見がありました。
特に、あずきバーは発売から50周年を迎え2023年度は売上本数3億本を突破していたというのは驚きでした。井村屋グループの経営戦略としては、既存の主力製品「あずきバー」の販売を中心としつつも、新商品の開発や販売促進にも同時並行に注力するスタンスのようです。また、2026年度財務目標の数値に海外事業売上高比率8.8%を掲げていることから、積極的な海外展開への意欲も垣間見えました。