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ライト
法人営業として東証プライムの上場企業をはじめとする数多くの企業との商談経験を持つ。サラリーマンとして働く傍ら、副業、株式投資、にも興味を持ち始め本ブログを開設。
『企業が書かない』×『社会人に役立つ』そんなビジネスコラムを記事にします。
現代社会のビジネス環境では、ただ良い商品やサービスを提供するだけでは顧客の心を掴むことが難しくなっています。特に競争が激化する中で、企業や個人が顧客の購買行動を深く理解し、効果的なアプローチを取ることが、マーケティング成功の鍵となります。そのためのモデルの一つとして知られるのが、アイドマ(AIDMA)の法則です。本記事では、この法則について詳しく解説し、実際の営業活動にどのように応用できるかについて考えていきます。
アイドマ(AIDMA)の法則
アイドマの法則とは、顧客の購買行動を5つの段階に分けて分析するフレームワークです。この5つの段階は、以下のように構成されています。
A(Attention)注意
顧客が商品やサービスの存在に気付く段階。
- DM
- SNS
- Web広告
- テレビCM
I(Interest)興味
顧客が商品やサービスに興味を持ち、詳細を知りたくなる段階。
- レビュー記事
- ホワイトペーパー
- オウンドメディア内での紹介記事
D(Desire)欲望
顧客がその商品を「欲しい」と感じる段階。
- 無料トライアル
- 展示会や実店舗でのサンプル配布や販促活動
M(Memory)記憶
商品やサービスが顧客の記憶に残り、購入行動を起こす準備が整う段階。
- SNS
- Web広告
- テレビCM
- リターゲティング広告
A(Action)行動
顧客が最終的に購入や契約などの具体的な行動に移る段階。
- 割引クーポン発行
- 期間限定キャンペーン
このモデルを理解することで、顧客がどのように商品やサービスを受け入れ、購入に至るかを把握しやすくなります。アイドマの法則は、1920年代にサミュエル・ローラルド・ホール氏が提唱したものですが100年近く経った今日でもマーケティング施策を考える上で重要な示唆を与えてくれます。
アイドマ(AIDMA)でスマホの宣伝を考える
それでは具体的な事例をあげてアイドマの法則を考えてみましょう。例えば、新発売のスマートフォンを宣伝する場合、まず「Attention(注意)」を引くための広告が重要です。鮮やかなビジュアルや目立つキャッチコピーで関心を引くことで、顧客がその製品の存在に気付きます。その後、「Interest(興味)」を持たせるために、性能やデザインの特徴を強調する紹介が続きます。ここで顧客は「どんな機能があるのか?」とさらに知りたくなり、興味を持つのです。
次に、「Desire(欲望)」の段階では、顧客が「自分もこれを持ってみたい」と感じるよう、他のスマートフォンと差別化した強みをアピールするなども有効です。そして、顧客の記憶にそのスマートフォンの存在を「Memory(記憶)」させるために広告を継続します。そして、最終的に購入を決意させる段階に入ります。このように、顧客がどのステージにいるかを把握することで、効果的なマーケティングや営業手法を考えて選択することが可能になります。
営業にアイドマ(AIDMA)の考え方を取り入れる
営業活動にも、アイドマの考え方を取り入れることで効果的なアプローチが可能になります。例えば、新規顧客とのアプローチであれば、まず「Attention(注意)」を引くための初回接触で印象に残る自己紹介や、価値ある情報提供が重要です。その後、「Interest(興味)」を喚起するため、相手の課題やニーズに合わせた詳細説明をおこない顧客の興味を惹く提案が求められます。
次に、「Desire(欲望)」の段階では、提案内容の具体的なメリットを提示し、「この商品があれば顧客の課題が解決できる」と感じてもらうために、相手のビジョンやゴールと関連付けた提案を行うことが有効です。記憶に残るよう定期訪問するなどの営業活動をおこなうことで、競合と差別化し、最終的に行動(契約や購入)につなげることができます。
番外編:ネット社会に着目したアイサス(AISAS)の法則
インターネットの普及に伴い、われわれ消費者は商品を購入する前に、ネット検索して膨大な情報にアクセスできる時代になりました。AIDMAの法則をインターネット社会に順応させた顧客の購買行動プロセスがアイサス(AISAS)の法則になります。
「AISASの法則」は「注意(Attention)」→「興味(Interest)」→「検索(Search)」→「行動(Action)」→「共有(Share)」の5段階で表したものです。「検索(Search)」「行動(Action)」「共有(Share)」はネット社会ならではの消費行動です。消費者は自ら情報を取りに行き、自分の頭で考えて購入し、購入後に消費者はSNS上などでUGCを作成し「共有(Share)」することで別の消費者の購買行動を喚起させます。
用語解説:ユージーシー【UGC】[user generated content]
出典:デジタル大辞泉
まとめ
アイドマの法則は、顧客の購買行動を段階的に捉えるためのフレームワークです。営業やマーケティングにおいて、顧客がどの段階にいるのかを意識し、それぞれの段階に合ったアプローチを取ることで、より確実に期待する顧客行動を引き出すことが可能になります。顧客の視点に立ち、段階的にアプローチすることが、ビジネス活動で大きな効果をもたらすでしょう。