この記事の読了目安時間は約 2 分です

ライト
働き盛りの30代で東証プライムの上場企業から中小企業まで数多くの企業との商談経験を持つ。サラリーマンとして会社に勤務する傍ら、自身の知識や経験、学びをアウトプットする目的で本ブログを開設。
『企業が書かない』×『社会人に役立つ』そんなビジネスコラムを記事にします。
仕事で悩んだとき、誰かに相談すれば解決するかもしれない。そう頭ではわかっていても、実際には声をかけられずにひとりで抱え込んでしまう、そんな経験は多くの人に共通しています。本記事では「なぜ相談できないのか?」という心理的なハードルを整理しながら、相談がしやすくなるための工夫やマインドセットを紹介します。

相談することは、「周りに助けを求める行為」ではなく、自分の考えや課題を上司や同僚と共有し、よりよい仕事の進め方を見つけるための大切なステップとも考えられます。
心理的ハードル/職場で周りに相談できないのはなぜ
職場で相談できない理由には、次のような心理的ハードルがあります。
- 誰に相談すればいいのかわからない
- 「相談=仕事ができない人」と思われるのが怖い
- 上司や先輩が忙しそうに働いていて声をかけにくい
- 「こんなことで相談するなんて」と思われそうで恥ずかしい
こうした心理的ハードルの背景には、「自分で何とかすべき」という思い込みや、「迷惑をかけたくない」という気遣いがあることが少なくありません。しかし、これらの気持ちが強すぎると、本来必要な助言やサポートを受ける機会を逃してしまいます。
周りに相談しないことのリスクを理解しよう
「相談する」ということは先述したような心理的ハードルが伴いますが、もし「相談しない」という選択をした先には意外と大きなリスクが伴うことを理解する必要があります。
- 判断を誤ってミスや手戻りが発生する
- 報連相が不足し、上司からの信頼を失う可能性がある
- 課題や不安を共有できず、自分だけで抱え込んで疲弊する
特に見落としがちなのが、「相談しないことで上司やチームの判断材料が不足する」という点です。相談するという行為は、単に助けを求めるだけでなく、自分が今どの部分で悩んでいるのか、どんな壁にぶつかっているのかを共有する意味もあります。これは、上司にとっても重要な情報で、あなた以外のメンバーも課題と感じている部分かもしれません。
周りに相談しやすくなる3つの工夫



「相談したいけど、どう切り出せばいいかわからない」という方に向けて、私が実践している3つの工夫を紹介します。
事前にチャットやメールで“予告”しておく
「少しご相談したいことがあるのですが、本日の午後あたりお時間いただけますか?」と事前に伝えておくと、相手の心構えもでき、心理的なハードルがぐっと下がります。


相談の目的を明確にする
「〇〇さんのご意見を事前にいただきたく、こういう方針で進めようと思うのですが、ご確認お願いできますか?」といったように、相手に何を求めているのかを明確に示すことで、相談が一方通行にならず、建設的な対話につながります。
「結論+背景」で簡潔に伝える
長々と説明すると、相手も混乱しがちです。まずは「自分がどうしたいのか」という結論を伝えた上で、背景を簡潔に補足すると、相談の時間も短く、相手も応じやすくなります。
相談するときに何より大切なのは、自分なりの仮説を持つこと
相談の場を「答えを教えてもらう機会」として使ってしまうのは大変もったいないことです。実りある相談とは、自分なりに考えた上で「この方向で合ってますか?」と確認したり、「こういう懸念があるけれど、抜けている視点がないか」を尋ねたりするものです。
たとえば、以下のような投げかけ方が有効です。
- 「こういう風に考えたのですが、認識にズレがないか確認したくて」
- 「進め方としてこの3パターンを考えているのですが、どれが一番現実的でしょうか?」
- 「これらを懸念事項として整理したのですが、他にも見落としている点はありますか?」
このように仮説や意見を持ったうえで相談に臨むと、相手からのフィードバックの質も高まり、結果的に自分の思考力や判断力も鍛えられていきます。
「相談=信頼される人になるステップ」と前向きに考える
「相談ばかりしていたら頼りないと思われるのでは?」と不安に感じる人もいますが、実際には案外逆のケースも多いものです。的確なタイミングで相談できる人は、周囲に安心感を与え、「この人はちゃんと報連相できる人だ」と信頼される傾向があります。
また、相談された側にとっても「頼ってもらえた」と感じられることで、関係性が深まります。相談することは、単なる業務上のやりとりではなく、信頼関係を築くコミュニケーションの一部でもあるのです。


ワンランク上の相談テクニック!相談された人が嬉しくなるひとこと集
相談された側が思わず「頼ってくれて嬉しい」と感じるような、気の利いた一言を紹介します。実は、相談の仕方ひとつで、相手との関係が良くなることもあるのです。ここでは、いくつかのパターンに分けてご紹介します。
相手の知識や経験をリスペクトする言い方
相談相手の専門性や経験をさりげなく評価する一言は、好印象につながります。
- 「〇〇さんなら詳しいと思ってお聞きしたいのですが…」
- 「以前、〇〇さんが似たようなことに詳しかったと記憶していて…」
- 「この分野は〇〇さんに聞けば間違いないと思いまして」
信頼・安心感を伝える言い方
「〇〇さんだから相談した」という気持ちを伝えると、相手に安心感や信頼を届けられます。
- 「こういう時、やっぱり〇〇さんに相談したくて」
- 「この話、〇〇さんだったら冷静に整理してくれるかなと思って」
- 「正直少し迷っていたんですが、〇〇さんの意見を参考にしたくて」
一緒に考えてほしいと頼む言い方
一方的に「教えてください」と頼るのではなく、「一緒に考えてほしい」と伝えると、建設的な相談になります。
- 「私一人で考えるより、〇〇さんと話せたら視野を広く考えられる気がして」
- 「一緒に考えていただけませんか?自分一人のアイデアだけでは不安で…」
- 「考えがまとまりかけてはいるんですが、一緒に整理してもらえると助かります」
相談後には必ず感謝を伝える一言を
相談が終わったあとは、感謝の言葉で締めくくることが大切です。相談をポジティブな体験で終えることが、相談をする側と相談される側の双方のハードルを下げます。
- 「おかげで頭の中が整理されました、本当に助かりました」
- 「本当に相談してよかったです。〇〇さんに聞いて正解でした」
- 「お忙しい中時間をとってもらってありがとうございました。今後やるべきことが明確になりました」
おわりに:まずは小さな一歩から
「相談できない自分はダメだ」と責める必要はまったくありません。いきなりすべてを上手に相談できるようになる必要もありません。まずは、「これは聞いておいた方がよさそうだな」と思ったときに、勇気を出して一言伝えてみるその行動力が大切です。それだけで、次の相談のハードルはぐっと下がります。
小さな相談を重ねることで、「聞いてよかった」「声をかけてよかった」という体験が積み重なり、やがて自分の中に相談スキルと自信が育っていきます。今回の記事があなたの仕事がよりスムーズに、前向きに進むきっかけとなりますように。