プレゼンの順番で評価が変わる?心理学を使ったプレゼン戦略

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ライト

上場企業で働く法人営業の30代サラリーマン

働き盛りの30代で東証プライムの上場企業から中小企業まで数多くの企業との商談経験を持つ。サラリーマンとして会社に勤務する傍ら、自身の知識や経験、学びをアウトプットする目的で本ブログを開設。

『企業が書かない』×『社会人に役立つ』そんなビジネスコラムを記事にします。

記事に入る前に一言

社内プレゼンや営業コンペ、大学でのゼミの発表会など、「順番」が気になる場面は誰しも経験があるのではないでしょうか。「一番手だと不利じゃないか」「最後にやる方が印象に残りそう」と、順番による影響を直感的に感じている人は少なくありません。実はこの“順番による印象の差”には、心理学的な裏付けがあります。

ライト

本記事では、「初頭効果」と「親近効果」という心理効果をもとに、プレゼンの順番と評価の関係を解説します。どの順番でも最大限の効果を発揮するためのプレゼン戦略もご紹介しますので、発表の機会がある方はぜひ参考にしてみてください。

目次

心理学における初頭効果と親近効果とは?

初頭効果(Primacy Effect)

人は最初に提示された情報を特によく記憶し、強く印象に残す傾向があります。これを「初頭効果」と呼びます。1950年代の心理学者ソロモン・アッシュの研究では、人が他人の性格を判断する際、最初に得た情報が後の評価に強く影響することが示されました。

たとえば、最初に「この人は賢い」と聞いてから会話する場合と、「この人は不親切」と聞いてから会話する場合では、同じ相手でも印象が異なってしまうのです。プレゼンにおいても、1番目の発表者は“基準”としての位置づけをされやすく、その印象が他の発表者との比較に影響を与える可能性があります。

親近効果(Recency Effect)

一方で、人は直近に得た情報ほど鮮明に記憶する傾向もあります。これが「親近効果」です。長い会議や連続したプレゼンの後半になると、集中力が下がる一方で、最後に話した内容は記憶に新しいため、より印象に残りやすいのです。

たとえば営業コンペで10組が発表した場合、最後の2〜3組のプレゼン内容が一番覚えられている、ということはよくあります。

プレゼンの順番における“最初”と“最後”は、それぞれ評価を左右する特別な位置づけがあるのです。

プレゼンの順番が評価に与える影響

プレゼンの順番が1番目である場合の影響と効果(初頭効果)

  • 最も記憶に残りやすく、他の発表者の「比較対象」として基準になりやすい
  • ただし、評価者がウォームアップ中だと集中されにくいことも

プレゼンの順番が最後である場合の影響と効果(親近効果)

  • 終了直後の印象がそのまま評価に直結しやすい
  • 最後の発表者ということで他と比較されにくくなる
  • ただし、トリということで期待値のハードルが上がっている場合もある

それではプレゼンの順番が中盤の場合はどうか?

  • 記憶に残りづらく、印象が埋もれやすい
  • 他の発表との相対評価に巻き込まれやすい

プレゼンの順番が中盤である場合、普通に発表するだけでは印象に残りづらいため、“差別化”と“流れの変化”を意識することが重要です。

発表の順番に応じたプレゼン戦略

STRATEGY

順番が1番手の戦略:インパクト重視

  • 印象に残りやすい分、スライドに動きや視覚的な強調を入れる
  • 聞き手の“基準”になるように、論理性と明快さを強調する
STRATEGY

順番が最後の戦略:記憶への残り方を意識

  • まとめのフレーズは印象的に。例:「これが、弊社の一番の強みと特徴です」
  • 感情に訴えるストーリー展開やで“余韻”を残す
STRATEGY

順番が中盤の戦略:流れを変える仕掛け

  • 他のプレゼンとの差異を前面に出す
  • 質疑応答をうまく使って印象を与える

プレゼンの順番を選べる場合はどうしたら良い?

それでは、プレゼンの順番について希望を出せる場合はどうしたら良いでしょう?基本的には自分の自信があるプレゼンテーマなら、最後を狙うのがオススメです。総合力で戦えそうなら最後を希望し、一方でインパクトで他者と勝負したいと考えた場合は1番手で先手を打っておくのもアリです。

プレゼンは相対的な評価であることが多いので、審査員の集中力や他者のレベルを読む必要があります。

順番が選べない場合に意識して準備すること

プレゼンは順番を選べない場合の方が多いかもしれませんが、どの順番でも“効果的に見せる”構成が必要です。自分の番の前後を見て、臨機応変にトーンやプレゼン内容を調整する柔軟性があると高い評価を受けられる可能性が高まります。また、質疑応答の受け答えも“印象”に大きな影響を与えるので、想定される質問とその答えを考えて準備することも大切です。

まとめ

プレゼンや発表の場において、「順番」は軽視できない重要な要素です。冒頭のインパクトが評価を左右する「初頭効果」、終了直後の記憶が強く残る「親近効果」、この2つの心理効果を理解することにより、順番を味方につけてこれからのプレゼンを戦略的に臨むことができます。

どの順番にあたっても、見せ方や構成を工夫すれば「印象に残るプレゼン」は実現可能です。次にプレゼンの機会が訪れたときは、「順番がどうか」だけでなく、「順番に合った演出ができているか?」をぜひ意識してみてください。

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