消費者の行動心理を意識する バンドワゴン効果とマーケティング

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この記事を書いた人

ライト

職業:上場企業で働く法人営業のサラリーマン

法人営業として東証プライムの上場企業をはじめとする数多くの企業との商談経験を持つ。サラリーマンとして働く傍ら、副業、株式投資、にも興味を持ち始め本ブログを開設。

『企業が書かない』×『社会人に役立つ』そんなビジネスコラムを記事にします。

記事に入る前に一言

私たち消費行動において、無意識に「みんなが選んでいるから」「人気の商品、お店だから」と購入を安易に判断してしまうことはありませんか?実はこの心理現象はバンドワゴン効果と言われています。この記事では行動経済学の一つ、バンドワゴン効果の内容とそのマーケティングでの活用事例、効果的な使い方を紹介します。

用語解説:行動経済学

人間の非合理性に注目し、伝統的な経済学の論理では解明が難しかった事象を実証的に示した学問。従来の経済学が想定する「合理的な人間」ではなく、感情や環境などの要素が行動に影響を及ぼすとの考え方に基づく。ギャンブルで被った損失をギャンブルで回収しようとしたり、経済状況と株式相場がかけ離れた動きをしたりするといった事象を説明した。

出典:共同通信社 共同通信ニュース用語解説

目次

バンドワゴン効果とは?

バンドワゴン効果とは、心理学や経済学で語られる現象で、多くの人が選択したり支持しているものを、他の人も追随して選びたくなる効果を指します。この名前は、行進時に用いる「バンドワゴン(楽隊車)」に由来します。行列や盛り上がりを見た人々がその行進に加わりたくなる様子から名付けられました。

心理学の観点から言えば、この効果の背後には社会的証明同調行動といった要因があります。人間は不確実な状況において、多数派の選択を正しいとみなし、自分の行動指針にしがちです。この傾向は特に情報が限定的な場面で強く現れるとされています。

マーケティングにおけるバンドワゴン効果の事例

行列商法

飲食店の例では、行列商法がバンドワゴン効果を象徴的に活用しています。店の前に行列ができている光景を見ると、「この店は人気がある」と認識し、「これだけ人気であればきっと美味しいはずだ」と自分も訪れてみたいと思う人が増えるのです。飲食店は意識して行列を作ることで、さらに多くの集客を見込めることがあります。

レビューと口コミ

レビューや口コミの活用もバンドワゴン効果の一つです。Amazonや楽天などのECサイトでは、「売れ筋ランキング」や「購入者レビュー」が消費者の消費行動に大きな影響を与えています。「こんなに多くの人が買っているなら、これを購入しておけば間違いないだろう」という安心感を与え、購買を促します。

SNSの「口コミ」や「レビュー」などを通して、自社の商品やサービスの認知をウイルスのように不特定多数の消費者に伝播していくマーケティングバイラルマーケティングと言います。

バンドワゴン効果はマーケティングにおいて強力な武器です。企業はこの心理的現象を利用して、商品の販売促進やブランド価値の向上を図っています。

バンドワゴン効果が与える消費者心理への影響

バンドワゴン効果が消費者の消費行動になぜここまで強力な効果を持つのか、その背景にはいくつかの心理的要因があります。

心理的要因3つ

消費者が安心感を求める心理

人間はリスクを避けたいという本能を持っています。多くの人が選んだものは安全であると無意識に判断しやすく、これが行動を後押しします。

多数派に所属していたい心理

自分も多数派の一員であることを感じることで、社会的なつながりや安心感を得られます。流行の商品やサービスを選ぶことで、周囲と話題を共有しやすくなり、孤立感を避けられるのです。

選択を簡略化したい心理

現在の社会は情報過多になっております。目に触れる選択肢が多すぎると判断が難しくなります。そんな時、多数派の選択を基準にすることで意思決定を簡略化することができます。

バンドワゴン効果の落とし穴と注意点

企業もバンドワゴン効果を過剰に追求し過ぎてしまうと以下のようなデメリットが生じる恐れもあります。

  • 商品やサービスの本質を見失う
    バンドワゴン効果に頼りすぎると、商品/サービスの本質や価値を無視してしまいがちです。企業側もバンドワゴン効果を過度に利用すると、人気と実力が釣り合わないこととなり結果的に消費者の信頼を失う可能性があります。
  • 一時的なブームに終わる危険性
    バンドワゴン効果で急速に人気を得た商品やサービスは、その効果が薄れるとともに衰退する可能性があります。マーケティング戦略としては、長期的な視点に立ったマーケティング施策も必要です。
あわせて知りたい用語:スノッブ効果

スノッブ効果とは、多くの人が持っている・使っているものをあえて避け、他人と異なる選択をすることで自分の個性やステータスを示そうとする心理現象です。流行や人気に逆らう行動とも言え、バンドワゴン効果の対義語として考えられます。

まとめ

バンドワゴン効果は、心理学とマーケティングの双方で強力な影響力を持つ現象です。知らず知らずのうちにバンドワゴン効果の影響を受け、消費行動を決定している人もいるのではないでしょうか。バンドワゴン効果を意識すれば売上を上げるために、「行列を作ろう」などという具体的な戦略を考えることができます。消費者目線では、自分の消費行動はバンドワゴン効果に惑わされていないか?などと、少し冷静に物事を考えることができます。

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